しかし、実際に子どものおかれている実情をしっかりと見るならば、すべての子どもがこれらの進歩の恩恵を受けているとはとうていえません。
今なお世界には1億2000万人ともいわれる強制的な児童労働があります。
児童買春、子どもの自殺、薬物依存など保護され成長する権利などないに等しい状況もあります。
体罰、虐待、訓練主義にはめ込もうとする教育、あるいはまったくの放置、放任など新しい子ども観からすれば容認できないことも絶えていません。
社会の中に、大人たちの間に、戦争や、暴力や差別がある限り、子どもに対しても暴力的な教育は生き延びるのです。
それどころか、今日の新しい条件の下でいっそう苛酷であったり、複合的であったり、大規模であったり、するといってもよいでしょう。
そのような意味で、現代の社会における子どもの観と教育保育の実態は、歴史的構成体としてとらえなければなりません。
子どもの存在と権利を尊重する見方や扱いとともに、それとは反対に子どもを大人の従属物とみなしたり、単に未熟なものとしてのみみる古い考え方と扱いが、社会にも私たちの中にもともと同居しているのです。
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